





武庫川女子大学サイエンス・コモンズでは、2024年の開設以来、アイデアや夢を語り合い、新たな研究を生み出す場として、様々な分野の第一線で活躍する研究者が話題提供を行うセミナーを継続して開催しています。
2026年1月28日(水)、中央キャンパス 公江記念館ゲストラウンジにて、第7回サイエンス・コモンズ セミナーを開催しました。今回は、本学音楽学部 応用音楽学科の永島茜准教授を講師に迎え、「フランス音楽政策の現在-パリ現地リポート-」と題して、対面とオンライン(Zoom)のハイブリッド形式で実施しました。当日は、教職員や学生など、対面14名・オンライン8名の計22名が参加しました。
講師の永島先生は、ヴィオラ奏者としてのキャリアを歩まれた後、文化庁派遣在外研修員としてパリへ留学されたご経験をお持ちです。現在は文化政策やアートマネジメントを専門に研究されており、本セミナーでは長年の知見と、2025年3月に実施された最新の現地調査に基づき、フランスの先進的な音楽施策について多角的な視点からお話しいただきました。
講演の核心となったのは、フランス独自の「現在の音楽(musiques actuelles)」という概念です。これは単なる音楽ジャンルの呼称ではなく、ロック、ジャズ、電子音楽、ヒップホップ、シャンソンなど、いわゆる「芸術音楽(クラシック)」以外の多様なポピュラー音楽を、国の公的な政策対象として包括する考え方です。
なかでも、フランス全土に展開されている音楽拠点「SMAC(Scènes de Musiques Actuelles)」の認定制度について詳しく解説されました。SMACは現代音楽の多様性を守り、地域に根差した活動を支援する拠点であり、認定施設は国や自治体から補助金を受ける代わりに、以下の3つのミッションを担います。
- 創造・制作・発表:アーティストへの制作現場や発表の場の提供
- プロおよびアマチュア音楽実践の支援
- 文化活動:地域社会や学校などへのアウトリーチ活動
これらの活動においては、文化の多様性や民主化、さらにはジェンダー平等やDE&I(多様性・公平性・包括性)の推進も重視されており、フランスの国家としての姿勢が色濃く反映されています。
セミナー後半には、2025年3月の視察で訪問された実際の拠点(Paul B, La Clef, L’Empreinte等)の様子を、貴重な写真や動画、現地のリーフレットとともにご紹介いただきました。
参加者からは、「クラシック以外のフランス音楽政策の話が新鮮だった」「音楽を通じた社会課題解決のあり方に感銘を受けた」といった声が寄せられ、専門分野を問わず、音楽と社会の繋がりについて深く考える貴重な機会となりました。
【参加者の声】
- 音楽やヨーロッパについて詳しくありませんが、他国の社会状況を知る機会として参加しました。音楽よりも社会的な多様性に共感する部分が多く、音楽の普遍性と繋がりの強さについてとても勉強になりました。
- 音楽学の範疇に留まらず、社会学的な視座からもアプローチされており、今回の「フランス音楽政策」というフィルターを通して、政策のあるべき姿を見たかのような感銘を受けました。DE&Iの観点からも大変価値の高い研修だったと思います。
- かつてフランスに滞在していましたが、当時はクラシックしか見ていなかったので、このような事業が行われていたことは全く知りませんでした。文化全般を国が支え続けるフランスの姿勢には、改めて羨ましさを感じます。
\第8回サイエンス・コモンズ セミナーのご案内/
| 日時 | 2026年2月24日(火)13:30~15:30 |
|---|---|
| 場所 | 中央キャンパス 研究所棟 1階 サイエンス・コモンズ |
| 詳細 | https://scommons.mukogawa-u.ac.jp/news/2026/01/28/post_2872/ |