





2025年2月21日(金)13:30~15:50、中央キャンパスの日下記念マルチメディア館メディアホールにて、「女子総合大学における挑戦的次世代女性リーダー育成プログラム第2回シンポジウム」を開催し、学内外から139名の参加がありました。
開会にあたり瀬口和義学長(女性研究リーダー育成推進センター長)より、「このプログラムに女子大で唯一採択されたことは、女子総合大学に女性リーダー輩出を託す期待の表れ」と挨拶がありました。
基調講演では、慶應義塾大学理工学部教授・医学部精神神経科学教室兼担教授の満倉靖恵氏が登壇。満倉氏は感情やストレスを測定し感情が可視化できる特許技術「感性アナライザ」について実演を交えて紹介。また女性のホルモン周期を簡単に計測する「FEMUP」などの革新的な技術を開発。特に女性のバイオリズムの変化を測定する技術は、職場環境の改善やパフォーマンス向上に活用可能であり、フェムテック分野への応用が期待されています。これこそが働き方改革ではないかとの提言があり、講演を結びました。
高橋享子副センター長からは、今年度に行ってきた様々な活動や実施した研修について報告がありました。武庫川女子大学「サイエンス・コモンズ」を活用し、各種研修や国際共同研究支援等を通じて、女性リーダー育成を促進していくと報告がありました。
本学から令和6年度架橋横断的重点共同研究・グローバル共同研究採択者の3名の教員が登壇しました。
健康生命薬科学科の中瀨朋夏教授からは難治性乳がんの悪性化の機序解明と新治療戦略の創出について発表がありました。乳がん患者数と死亡数が増加しており、特に20〜39歳のAYA世代後期に深刻な影響を与えていると指摘。ホルモン療法のタモキシフェンに対する治療耐性が問題となっており、亜鉛(Zn)を併用することで抗がん活性が増大することが示されました。また、タウリンや硫化水素(H2S)ががん悪液質による筋力低下を改善する可能性があると報告がありました。
社会福祉学科の野上恵美講師からは、外国にルーツを持つ児童・生徒の学習意欲向上に関する社会福祉学的研究が紹介されました。研究は、家庭・学校・NPO等の「第3の居場所」における支援の必要性に着目し、複言語環境における学習の課題を探るもので、特に母語・継承語教育の不足が「セミリンガル状態」を招き、学習意欲低下やアイデンティティの問題を引き起こすとの指摘がありました。
応用音楽学科の一ノ瀬智子教授からは武庫川女子大学の「認知症予防教室」における音楽活動の有効性についての研究報告がありました。高齢化の進行に伴う認知症患者の増加を背景に、認知症予防のための多面的介入が必要とされており、本教室では運動指導や認知トレーニングに加え、音楽活動を導入していることが紹介され、研究結果では音楽活動が緊張の軽減やエネルギー覚醒の向上に有効であることが示されました。
シンポジウム後のアンケートでは、
・満倉先生の講演がとても素晴らしく、あっという間に時間が過ぎました。
・講演された先生のバイタリティ、熱量、そして物事の考え方に触れることができ、自分も研究をしていこう!という思いになりました。
・本日の講演を聞いて、共同研究、連携の重要性をより感じました。女性はライフステージによって、研究を続けることに困難な場面があると思いますが、本学のように共同研究への支援があることで、継続し、実績をあげ、リーダーになっていくことが出来ると思いました。
・大学全体で教職員一体となったリーダー育成を行うという雰囲気の醸成や、研究を楽しみたい!リーダーになりたい!と思わせる強い女性リーダー像を身近に感じられる環境を作ることが必要だと思います。
など参加者からたくさんの声を頂きました。