第5回MUKOJO研究ポットラックが、2025年12月4日(木)16:30~18:15にサイエンス・コモンズにて開催されました。本学教職員6名が参加しました。
第5回のテーマは「音楽で社会を支える・社会を創る」
応用音楽学科の一ノ瀬智子先生より音楽療法の観点から「認知症予防やウェルビーイングの促進をめざした実践的研究」について、同じく応用音楽学科の永島茜先生より音楽で社会が抱える課題に挑戦する取り組みとして「フランスの地域音楽拠点(SMAC)の活動」について、それぞれ話題提供を頂きました。コーディネーターは共通教育部の長谷川先生が務めました。
一ノ瀬先生は、2021年から健康科学総合研究所が実施している「認知症予防教室」の活動をご紹介されました。認知症予防教室では、参加高齢者に対して軽運動と認知トレーニング、音楽活動(楽器活動、歌唱、身体活動等)、栄養指導、回想法など多面的なプログラムが行われており、運動能力の上昇と認知機能の維持が認められています。一ノ瀬先生は、音楽活動プログラムにおいて呼吸を伴う鍵盤ハーモニカ演奏を導入し、肺活量が増加したことや気分評定値では緊張覚醒が低下したことを話されました。
永島先生はご自身の専門領域を参加者と共有しながら、音楽政策に関心を寄せた背景と経緯をお話され、フランスの地域音楽拠点(SMAC)の事業内容について紹介されました。フランスでは1980年代から、若者や移民に向けた社会政策として、クラシック音楽以外の多様な音楽ジャンルを「現在の音楽」として支援していることや、地域の音楽拠点(SMAC)が1995年に制度化され、フランス国内に98の拠点があることを報告されました。また、実際にパリで視察されたSMACの施設を例に挙げ、音楽に特化した公共サービスや施設としての特徴(芸術性、専門性、文化、地域市民への関与)について説明されました。
ディスカッションでは、音楽の持つ力について多角的な事例が共有されました。特に、音楽を通して人々のつながりを構築し、その力を社会に届けるためのプラットフォームの必要性についても言及がありました。また、「音楽は世界の共通言語」であり、音楽に留まらず、ダンスの果たす役割やダンス教育の重要性を指摘する意見も出ました。本学が音楽学部を有する総合大学であることから、今後は他領域との融合を促進し、新たな活動や共同研究の創出につなげていく方向性を共有しました。


