社会福祉学科
准教授 大岡 由佳
在外研修
米国オレゴン州のポートランド州立大学ソーシャルワーク学部が持つ地域研究所に招聘研究員として滞在しています。州から委託を受けて「トラウマインフォームド・オレゴン(Trauma Informed Oregon)」を運営している機関です。トラウマインフォームドとは、トラウマに配慮した人に優しい社会づくりを目指すものであり、たとえば、人の多様性や公正、インクルージョンを掲げてその活動を展開しています。ちょうどアメリカでは、私の渡米直後に政権交代となり、たとえば移民やトランスジェンダーにも厳しい方針が打ち出され、大学研究機関が州を通じて政府から受けてきた資金援助の削減方針が打ち出されました。当研究所では緊急会議が持たれ、ソーシャルワーク学部教授会でも、学生への不利益や研究活動への危惧について議論されました。それぞれソーシャルワーカーらが社会正義を守るべく声を上げる姿を目の当たりにしています。一方、渡米後の生活は大変充実しています。研究所では、花やウエルカムグッズ、歓迎メッセージが私の部屋に飾られ、スタッフ皆が部門の一員として迎え入れてくれました。その研究所を拠点に、関連組織訪問をしたり、研究所の研修・会議にスタッフとして参加しています。子どもを帯同しての渡米をしたため、子どもを通して教育システムを垣間見る機会にもなっています。週末は小旅行に行ったり、美術館や博物館巡りをするなど、ワークライフバランスが整った生活を満喫しています。



