第5回サイエンス・コモンズ セミナーを開催しました。

| 開催報告


第5回サイエンス・コモンズ セミナー「大学と自治体による共同研究-保健師の経験知からの理論知を広く実践に活かすためにー」を11月27日(水)、中央キャンパス研究所棟1階サイエンス・コモンズにて開催しました。本学教職員・大学院生と学外から合計26名の参加(対面21名、オンライン5名)がありました。

「サイエンス・コモンズ セミナー」では、様々な専門家によるご自身の研究に関するプレゼンテーションをきっかけに、異なる分野の研究者同士が交流し、架橋横断的な共同研究につながる場となることを目指しています。

第5回は、本学看護学部の松井菜摘講師と大阪市旭区役所保健副主幹の尾原ゆり子氏に登壇いただきました。参加者全員の自己紹介、松井講師による共同研究の意義と具体例の紹介、尾原氏による現場での取り組みに関する講話、ワークショップの4部構成で進行されました。

松井講師は、保健師の実践知を理論知に変換し、実践に活かすための大学と自治体の共同研究の意義について話しました。具体例として、大阪市や西宮市等の自治体との共同研究、高齢初産婦の困りごとや産後うつ傾向のある女性の気づきと対処行動の研究が紹介されました。全体を通じて、教育と研究の相互作用や、地域の健康課題解決に向けた実践的なアプローチの重要性が強調されました。

尾原氏は、現場での取り組みとして、大阪市旭区役所における保健師活動と武庫川女子大学との共同研究を紹介しました。これまでに、両親学級参加者の産後の育児状況や父親の育児参加意欲に関する研究、高齢者の介護予防行動に関する研究を行ったことについて、報告がありました。これらの研究は、保健師の実践知を理論知に進化させ、地域住民の健康増進に寄与することを目的としています。全体を通じて、現場の経験と大学の理論的知識を融合させることで、エビデンスに基づいた活動や施策へのフィードバックができることが強調されました。

その後のワークショップでは、「共同研究を行う機関との関わりで大切にしたいこと」について、ブレインストーミングを行い、グループでの意見交換の後、参加者全員で共有しました。「目標の共有」「リスペクト」などが、複数のグループから挙がりました。

【参加者の感想】

・先生方の研究が、地域住民に生かされていることがわかりました。ひとつの研究が終わった後、次の課題を見つけまた研究に取り組むという学び続ける姿勢、そこから得た知見を様々なことに還元してくださっていることを知り、改めて学び続けることの大切さを感じました。

・研究はもちろん、私生活にも関わりのある内容で、重要な示唆をいただきました。

・保健師の活動や共同研究についてなど、基本的な部分から分かりやすく説明していただきました。具体的な事例や実際に行っている研究を紹介していただけたことで、より実際が分かりやすかったです。

・最後のディスカッションでも、他の分野の方々と意見を交換することで、様々な意見を聞くことができ、多様な視点について学ぶことが出来ました。

・研究と現場、さらには教育がつながっていることがわかり、素晴らしかったです。


日時2025年1月29日(水)17:30~19:30
場所中央キャンパス 研究棟(Ⅰ)1F サイエンス・コモンズ
詳細第6回 サイエンス・コモンズ セミナーのご案内 – サイエンス・コモンズ Science Commons