第4回サイエンス・コモンズ セミナー「治らない病気から治る病気へ 乳がん治療への新たな挑戦と課題」を10月30日(水)、中央キャンパス研究所棟1階サイエンス・コモンズにて開催しました。本学教職員・大学院生・学部生と学外から合計22名の参加(対面12名、オンライン10名)がありました。
「サイエンス・コモンズ セミナー」では、様々な専門家にご自身の研究についてプレゼンテーションをきっかけに、異なる分野の研究者同士が交流し、架橋横断的な共同研究につながる場となることを目指しています。
第4回は、薬学部の中瀨朋夏教授を講師として招き、「治らない病気から治る病気へ 乳がん治療への新たな挑戦と課題」と題してレクチャーしていただきました。
レクチャーでは、がん罹患率は男女とも2人に1人の時代。女性の罹るがんの中で罹患率は乳がんが最も多い。特にAYA世代(20~39歳)のがん患者の80%が女性。乳がん以外のがん罹患率は減少傾向にあるものの、乳がんは増加傾向にあるなど、がんを取り巻く現況についてお話がありました。
中瀨先生は、乳がんに「亜鉛」が有効であることに着目。亜鉛を乳がん治療に使えるのではないかと研究を進めておられます。また、筋力低下を改善するためにタウリンを応用する、あるいは新しい治療開発としてマラリア治療薬であるアルテミシニンが、TNBC(Triple Negative Breast Cancer)に応用できるのではないかなど、Drug Repositioningの観点からもそのメカニズムの研究を続けていると説明がありました。
【参加者の感想】
・がんの統計データから乳がん治療の最前線までご講演いただき非常に密度の濃いセミナーでした。本セミナーで学ばせていただいた先生の研究に対する姿勢や考え方を、今後の研究活動に生かしていきたいと思います。
・分野は違いますが、共同研究の可能性や、プレゼンテーションの方法など学ぶことがたくさんあり、有意義な時間でした。
・今回のセミナーは、今年身近な人が乳がんになり、手術して今は経過観察中なので、乳がんについて知りたいと思い参加させていただきました。その人を近くで見ていても、筋力低下を感じるので、タウリンが多く含まれている食品等を勧めたいと思いました。
・社会還元や学生への教育に役立つ研究であり、国際的にも広まっていってほしい内容であると感じました。
\第5回サイエンス・コモンズ セミナーのご案内/
日時 | 2024年11月27日(水)17:30~19:30 |
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場所 | 中央キャンパス 研究棟(Ⅰ)1F サイエンス・コモンズ |